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あいにくの雨。
しかもどしゃぶり。
「今日は買い物
行けんよ。」
「嫌や！！
当たりでたねん行く！」
雨の日はいつも
母親が車にのせて
買い物に連れていってくれる
でも、今日は
母親が用事で
買い物には行けない。
それを聞いた和也は
「行きたい、行きたい」
とだだをこねる。
「こんな雨の中
私、和也連れて行くの
無理やもん。」
「じゃぁ、一人で行く。」
「無理やし。」
「行く！！」
和也のあまりのわがままに
佳世子はイライラしていた。
「行こう、行こう」
としつこく
佳世子の手を引っ張る和也
「いいかげんにしい！」
佳世子はそういうと
和也の手を叩いた
パチンｯ！！
和也はびっくりして
手をはなした
すると和也は後ろに倒れた
「いたっ！！」
佳世子は初めて
和也を叩いた。
和也にとってそれは
すごくショックな事だった
「ごめん、和也！！
大丈夫！？」
「うぇぇーぇん！！」
和也は泣きながら
トイレに行って
閉じこもってしまった。
「和也！！ここ開けて！」
「いやや！！
姉ちゃんなんか嫌いや！」
和也のその言葉で
佳世子は扉を叩くのをやめた
沈黙が続いて静かになった
バタン。
扉が閉まる音がして
和也はトイレのドアを
ゆっくり開けた。
そこには
佳世子の姿はなかった。
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