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「三成!」
「‥貴様か。」
振り向いた先には、涼しい顔した兼続。
面倒な奴に会ったな
口には出さないかわりに、あからさまな表情をする三成に、兼続はハッハッハ!
そう、大きく笑い出して
「そう邪険にするな。時に三成。幸村と祭に行くらしいな」
「──は?」
ちょっと待て。
ちょっと待て。
どういう事だ。
なぜこの男がその事を知っている?
先ほど幸村を誘った時、聞かれていたのか?
それとも幸村がこの男に喋ったのだろうか
頭をフルで活動させ、なぜだと自問自答していれば、突然兼続が
「三成。浴衣を着ろ」
「意味がわからん。なぜ俺がそんな物を」
今までも充分突拍子のない事をヌかしていたが、今日はまた拍車をかけてワケのわからない事を言っている
何だよ浴衣を着ろって普通の着流しじゃダメなのか
視線でそう訴える三成に、兼続が気にするはずもなく
手に持っていた上品な浴衣を無理矢理兼続から押し付けられ
「さぁ早くそれを来て行ってこい。着方がわからねば手伝うが?」
「侮るな。それ位わかる。」
上手く乗せられた
すぐに挑発に乗ってしまう、自分の性格を今日ほど怨んだ事はないかもしれない
仕方なく三成は、一度屋敷に戻り、兼続から半ば強引に手渡された紺色の浴衣に着替える事に
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