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人なんて所詮汚くて
醜いモノだ
僕は身をもって
ソレを知っていた。
「これはこれは恭介様……ボンジョルノ、どうか今後もお付き合いの程を宜しくお願い致します」
「ごきげんようMOON CLOCK次期後継者様、婚約者には是非、我が娘を」
「おお、さすが恭介様！！」
「恭介様には適いませんわ」
幼い頃から周りには、そんなゴマ擦りや、ご機嫌取りの声ばかりが飛び交っていた。
「……煩い」
――煩イ
――煩イ
――煩イ
ねぇ、僕は
そんな言葉を聞きたいんじゃないんだ。
「さすが雪城様のご子息ですわね」
「さぞかし雪城様も鼻が高く居られるでしょう」
みんな、みんな
雪城様。
ねぇ、どうして皆
パパの事ばかりを口にしているの？
「恭介くんのパパって、お金持ちなんでしょ？」
「えー！すごーい！！」
「僕、パパに恭介くんは次期むーんくろっくの後継者だから仲良くしとけって言われたー」
「えー、何それー。でも偉い人になるなら仲良くしておいた方が特だよねー」
何それは僕の台詞だよ。
『恭介くん、おともだちになろっ！！』
『恭介くんダイスキー』
『僕たちは親友だよねっ』
初めて、友達が出来たと思ってたのに……。
あれは、全部嘘だったの？
僕を見て
僕の声を聞いて
僕の存在を知って
僕に
――…気付いてよ。
．
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