冤罪 <文語体>

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冤罪 <文語体>

けふ貴方の隠れ給ふべし。 白雪のうへ、裸足で踏み立ちて。 斬首を待ち群れ立つ者共。 わがかいなの竹柵の間から伸ぶるが、清らなる人の処までは届かず。 狂ほしき悔恨の情。 溢るる愛しみ。 されどこの想ひの届かぬもどかしき。 受け給はむともせざりし貴方。 何故笑つて其処にをる? くちずさんでひとつ。 空を仰ぎて涙し、 絶望と至福の内に落つれば。 ――色は匂へど散りぬるを 我が世誰そ常ならむ 有為の奥山けふ越えて 浅き夢見じ酔ひもせず―― 嗚呼いま、まさに 咎なくて死す ††††††††† ちょっち解説(^^)/ 平安中期に成立したとされる「いろはうた」は七音ずつに並べると「とがなくてしす」つまり「冤罪で死んでしまった」という言葉が浮かび上がってきます。 いろはにほへと ちりぬるをわか よたれそつねな らむうゐのおく やまけふこえて あさきゆめみし __ゑひもせす はい豆知識でしたd (ゝд・)
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