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ある夜の唄
今日のような乾いた夜は
冷たい布団に包まって寝るよ
月の昇る凍えた空気がさ迷う夜
ヘッドフォンで世界を遮断して眠りに着くよ
悲しみはそこかしこに溢れていて
酸素まで哀しみに染まる
胸にじわりと拡がって
失望の二酸化炭素に変わる
躰はぬかるみに嵌って
抜け出したくても
絡み付いた木の根が赦さない
このままじっくり
落ちてゆくだけ
底無しの沼
あいされたい
あいしたい
あいをしりたいの
でももう遅い
何もかもが手遅れで
すべて
壊れてしまったんだ
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