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目覚め
暗闇の世界。
耳にはチュンチュンと小鳥の囀ずり声が聴こえる…。
しかし、
それに伴い、眉間に激痛が走る。
その眉間の激痛のおかげで、暗闇の世界から光の世界に変わった。
バサラは目を覚ました。
身の覚えない部屋。
何れぐらい眠ってただろうか?
眉間の痛みにより声を漏らした。
バサラ『グッ…ッ!』
???『あら? 目が覚めたみたいね。』
寝ているベッドの隅から女の声が聴こえた。
その女は40代前後の女性みたいだ。
バサラ『ここは…?』
眉間の痛みを堪えながらも言うと、その女はこう答えた。
???『ここは、アインホルン、ロハン大陸の唯一のヒューマンの王国よ。』
バサラ『アインホルン?ロハン大陸??』
バサラは困惑した表情で起き上がる。
『ズキンズキン!』
バサラ『痛っ!』
???『ほら!あなた頭に大怪我してるのよ。安静にしてないと。』
女はそう言うが、黙って寝てるわけにはいかない。
バサラ『…アインホルンとかロハン大陸等は聞いたことも見たことない!』
バサラはそう言いつつ、無理にもベッドから立ち上がり、部屋の窓から外の景色を見た。
城下町の奥に中世のヨーロッパの城を思わせる建物が建っていた。
???『アソコのお城にはリヒト・デル=ラゴス国王が支配している、お城よ。』
バサラ『??』
女はそう言うが、バサラは未だに信じられなかった。
無理もない。
先ほどまで航空機や巨大なロボット兵器が存在する世界に居たのだから…。
バサラの体がふらつく。
???『ホラホラ、あなた、一週間も寝ていたのよ。ベッドに寝てなさいよ。』
女はそう言いつつ、バサラをベッドに寝かせた。
バサラ(これは、きっと夢に違いない!
眉間の痛みも夢だ!
そうだ、そうに決まってる!)
???『…そう言えば、まだ自己紹介してなかったわね。
あたしはこの酒場の女将キャロラインよ。あなたは?』
バサラ『…バサラだ。』
バサラは力無く答える。
キャロライン『傷が治るまでゆっくり寝てなさい。おやすみ。』
バサラ『……。』
バサラは返事する気力も無く、再び深い微睡みの底に着いたのであった…。
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