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2日後。
香ばしい匂いに誘われて、再び目を覚ましたバサラは酒場の部屋の窓から外の風景を眺めていた。
『コンコンッ!…ガチャ』
部屋のドアが開き、中から酒場の女将が入ってきた。
キャロライン『目を覚ましたようね。傷の具合はどう?』
バサラ『…ええ。傷の痛みはもうありません。治療してくれてありがとうございます。』
バサラは深々と女将にお辞儀をした。
キャロライン『当然の事をしただけよ。傷の痛みが取れたらなら額の包帯を取るわね。』
女将がそう言い、バサラの額の包帯を外した。
キャロライン『う~ん、傷口はふさがってるけど、傷痕は暫く残りそうね。』
バサラの眉間に、丁度×印みたいな傷痕が残っていた。
バサラ『構いません。気にしてませんし。』
キャロライン『それより、お腹空いてるでしょ?朝食作ってるわよ。良かったら一階に来て。』
女将はそう言葉にし、部屋をあとにして、
部屋から去って行った。
バサラは一週間以上食べ物を口にしてないので、断る事も出来ずに朝食をたいらげてしまった。
バサラ『ご馳走様でした。女将さん、色々とありがとうございました。』
キャロライン『いえいえ、気にしなくても結構よ。この後、アインホルンの国王様があなたに謁見を望んでるそうだけど、どうする?』
女将は食事の後片付けをしながらそう言いった。
バサラは暫くの沈黙の後、こう答えた。
バサラ『…もちろん。私も謁見を望んでます。』
バサラ(どうせ暇だし、この世界の事を知りたいしね。)
キャロライン『決まりね。まだ謁見の時間には早いから、何か聞きたい事有るかしら?』
女将はそう言い、バサラは再び沈黙の後、こう答えた。
この世界はどんな状況なのか?色々と女将に聞いてみた。
キャロライン『…とりあえず、私達ヒューマン及び、他の種族は
神々から創造したものよ。』
バサラは唖然としたまま耳を傾けていた。
キャロライン『種族は全部で6種族あって、私達、ヒューマン、
回復魔法が得意なエルフ、攻撃魔法が得意なダークエルフとヒューマンとエルフのハーフエルフが主な種族ね。』
女将は淡々と説明し続けて、
キャロライン『ヒューマンはアインホルン、エルフは首都ヴェーナ。ダークエルフは火山口の近くに存在するモント。』
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