+第九章+

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  紫苑はまるっきり二人の前に姿を現さなくなった。   そして二人どころか、村人達全員誰も蝶がいなくなったことに気づいていなかった。   たかがアゲハチョウ一匹。   みんなそう思ってるんだろう…。   アゲハチョウだってちゃんと生きているんだって。   人間と同じように呼吸もしているし。 お腹が空いたら食べる。 眠くなったら寝る。   なのに、姿が違うだけで…あっさりと記憶から消えてしまうんだ。  
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