+第二章+

5/5

19人が本棚に入れています
本棚に追加
/70ページ
  春風で木々がざわつき始め、花びらが散っていくと同時に 青年は思い出したように桜の花びらを掴んだ。   一瞬強く握ったかと思うと、今度は暖かい春風と共に手を開く。   花びらは手のひらから離れ飛んでゆく。   ゆらゆら風に乗ってどこか遠くへ。     「さよなら…桜」   彼が口にした始めての言葉だった。
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加