+第二章+
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春風で木々がざわつき始め、花びらが散っていくと同時に 青年は思い出したように桜の花びらを掴んだ。 一瞬強く握ったかと思うと、今度は暖かい春風と共に手を開く。 花びらは手のひらから離れ飛んでゆく。 ゆらゆら風に乗ってどこか遠くへ。 「さよなら…桜」 彼が口にした始めての言葉だった。
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