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9月23日、午前7時10分 運命の日の朝。あの日はいつもと特に変わりはなかった。 服を着替えたジュネットが食堂に行くと、すでに賑わっていた。 「おい、こっちに来いよ!」 1人の訓練生がジュネットを見て大声で彼を呼んだ。 「ああ、隣でいいか?」 「構わねぇよ、ジュネット」 アルヴィン・Η・ダヴェンポート それがジュネットを呼んだ訓練生の名前だった。 ユリアンがアルと呼ぶのは彼だ。「早いんだな」 先に口を開いたのはアルヴィン。「早いうちに準備をしなきゃ駄目だし、格納庫を撮りに行くんだ」「格納庫か・・・ま、大丈夫か」「?」 「ああ、普通は規則で駄目なんだ・・・ま、でもいいだろ」 「この基地らしいな」 「全くだ。ところでジュネット」「どうかした?」 「ユーリ見なかったか?」 「いや、今朝は見てない」 「あいつらしくねぇ」 「えっ?」 「今から飯食わねぇと時間がねぇ・・・あいつはそんなヘマする程馬鹿とは思えねぇ」 「寝坊じゃないのか?」 「軍人失格だぜ、そりゃ」 「まぁ、確かに・・・」 2人は思案顔になっていた。 「お2人さん、食べないの?」 2人の元に1人の女性がきた。 「ナガセ、ユーリ知らないか?」「ブレイズ?知らないわ」 女性―ナガセ―は少し不思議そうに言った。 「そうか、何かあったか?」 「ブリーフィングはまだ後だぜ」トレーを持った1人の訓練生が、話を聞き付けて言った。 「そうか・・・まぁ大丈夫か」 アルヴィンは自分を納得させた。「さて、格納庫に行ってくるよ」ジュネットが立ち上がった。
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