第1章

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サンド島2番格納庫                     ジュネットは始めにユリアンの機が置いてある2番格納庫を訪れた               「おやじさん、行けるか?」  「修理のメドは立ってるよ。でも訓練には遅れて行くしかないね」「ついてねぇなぁ~」     ジュネットが格納庫に入った時、ユリアンと青いツナギを来た1人の男が1機のF-5Eの脇で立ち話をしていた。          「ユーリ、みんな心配してたぞ」「あ、ジュネットか」     「彼は?」          ツナギの男がユリアンに尋ねた。「アルベール・ジュネット、訓練を撮りにきた記者」      「ほぅ、彼がか。私はピーター・Ν・ビーグル。ここの整備隊長をやっているよ」        「よろしく・・・なんと呼べば」「俺達はおやじさんって呼ぶよ」「じゃあそれで・・・。ところで何かあったのか、ユーリ」   「ああ、機の調子が悪いんだ」 「大丈夫か?」        「問題ないよ。訓練には遅れるが上がれるようにはするよ」   「ありがとう、おやじさん」  「なに、これが仕事だからね」 「おやじさん、撮っても問題ないですか?」          「構わないよ。これは旧式戦闘機だからね」          「そうなんですか?」     「ああ、電子機器は軍の標準装備だが機体自体は第一線から退いた旧式の機体さ。ま、運動性は中々いいと思うぜ」        ユリアンは機を見ながら言った。「ふぅん・・・さすがパイロット・・・詳しいな」       「だてにプロやってねぇからな」ユリアンは笑いながら言った。 「じゃあ、何枚か撮るよ」   ジュネットはカメラを構えて、機の周りを回って数枚撮った。  「なぁジュネット、隊長にこの事伝えに行くんだけど、来るか?」「えっと・・・頼むよ」    「了解」           ユリアンは敬礼をした。
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