第1章

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午前8時 ブリーフィングルーム               「よし、全員揃ったな。始める」バートレットが椅子に腰を下ろした訓練生達とジュネットを見渡し言った。           「今回はチーム別の戦闘機動訓練になる。実戦形式だ、手抜きだけはするんじゃねぇぞ」     そしてバートレットは座ったまま背後の地図を棒で指し示した。 「訓練空域はこのランダーズ岬。目標空域までは教官機が先導する迷子になるなよ」       すると、訓練生の1人―ナガセ―が手を上げた。        「ん?なんだナガセ少尉」   「チーム分けは?」      「前、配った書類の通りだ」  「チームリーダーは?」    「チームαはナガセ、βは・・・ラリー、代理でやれ」     「何でです?ラグフォードが今日も上がるんじゃないんですか?」「機体のトラブルで後から空域に向かうことになったからだ」  「はぁ・・・了解」      「すまん、ラリー」      「まぁ、名誉だと思ってやるよ」「質問はねぇな」       バートレットが言ったが誰も手を上げなかった。        「予定通りに出るぞ、解散」  バートレットが言うと、訓練生達は立ち上がった。       「ジュネット、一応忠告するぞ」「なんでしょう」       「ひょっとしたら高速戦闘機動を取るかもしれないからな」   「えっ・・・と、それは?」  「一言で言えば、キツイのさ」 ユリアンが事もなげに言った。 「どれくらい・・・?」    「胃が裏返るっていう表現が1番合う。そんな感じ、さ」    「本当かい?」        「嘘ついてどうするよ」    「でも、さすがにやらないよな」「心配すんな。隊長は有言実行を尊ぶ騎士だからな」      「・・・少し後悔だ」     「隊長を選んだ時点で運命は半ば決まってたんだ。ま、頑張れ」 ジュネットの顔色は優れなかった
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