第1章

7/14
前へ
/71ページ
次へ
27分後―                         サンド島基地エプロン                    ユリアンの機が滑走路の待機位置に向け、ゆっくりと進んでいた。「問題は無いかい?」     「ええ、油圧系もエンジンも特に気になるところもないです」  「結構急がせたからね・・・まぁ問題が無くて良かったよ」   「さすがです」        「なに、仕事だからね」    話している内に、タイガーは待機位置についていた。      「タワーよりブレイズ、機体の方は大丈夫か?」        「おやじさんがやってくれたんだ問題ねぇよ」         「了解だ。ブレイズ、離陸を許可する」            「了解」           ユリアンは、スロットルをフルに入れた。           機はぐんぐん速度を上げてゆき、地面から離れた。       「こちらブレイズ、異常なし」 「タワー、了解。直ちに訓練空域に向かえ。間に合うか?」   「さすがに厳しい。急いでみるが15分は遅れる」       「タワー了解」        ユリアンは機首をランダーズ岬に向けた。           「・・・本当に綺麗な空なのに、嫌な感じがますますだ・・・」 その日の空は雲量も少なく絶好の飛行日和だった。                                                                   その日の編成は、バートレットを含めた教官機3機と訓練生機7機というものだった。      「暇ですね、隊長」      「ただ飛ぶだけってのはこんなもんだろうよ」         「映画と現実は違うんですね」 「そりゃ、映画みたく格好よくはないかもな」         「いや、隊長はきまってますよ」「変に誉めるなジュネット」
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

298人が本棚に入れています
本棚に追加