第1章

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編隊が訓練空域付近に到達した頃私はカメラを作動させた。   「もう始めますか?」     「まぁまて、焦るな。こっちにも手順ってものがあるんだ」   「えっ?」          「スポーツと同じだ。まずは軽く慣らし運転からだ」      「でも、もう十分飛びましたよ」「機体じゃねぇ、中身だ」   「ああ、なるほど」      「よし、全機、軽く機動しろ」 「了解」           無線から応答の声が聞こえたのと同時に周りの機が旋回を始めた。「さて、こっちもやるか」   「・・・手加減頼みます」   「誰がしょっぱなから本気出していくと思うんだ?さすがに、俺もそこまで向こう見ずじゃねぇ」 バートレットはそう言うと機体をゆっくりと旋回させた。    「大丈夫か?」        「ええ、これくらいなら」   「さて、そろそろ編隊を組み直せ始めるぞ」          すると10機は綺麗な編隊を組みバートレットの周りに集まった。「よし、始めるぞ」      バートレットが言った。                                                                ―ピピッ・・・                                                     無線の受信音がなった。    「通信司令室よりウォードッグ、緊急事態が発生した」     「どうした?」                                      これが全ての始まりになる・・・               はからずも、私は教科書のページに載るような場面に出くわした。・・・最も、嬉しくも無かったが                                             「こちらのレーダーが、先程より国籍不明機を捉えている。現在、不明機はそちらに向かっている」
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