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2人が待機室に入ると、騒がしい室内は静かになった。 「よおし、全員そろってるな」 「はーい!!」 何人かの訓練生が息を合わせた。「さて、明日は戦闘機動の訓練だ・・・体調を整えとけよ」 「了解!」 バートレットが立ち上がると、今まで黙っていた訓練生達は一斉に喋ったり立ったりした。 「ジュネットもしっかり休めよ」「はい、明日は頼みます」 翌日、ジュネットはバートレットと共に上がる事になっていた。 「おい、アル!今日もやるぞ」 「おう!」 ふと、ジュネットの耳に、そんな会話が聞こえてきた。 「賑やかですね、大尉」 「ひよっこ共の数少ない取り柄だ・・・あまり誉めるなよ」 バートレットは笑いながら言った 午後6時30分 滑走路西端 私はバートレット隊長が言った、夕日を見るためにそこに向かった(綺麗だな・・・) 確かに、水平線に沈みゆく夕日はとても綺麗だった。 私がカメラを夕日に向けていると1人の男が目に入った。 「ん?」 私はその人影に近づいた。 「あの・・・」 「はい?」 振り向いたその人影は、まだ若い青年だった。 「君もここの訓練生?」 「ああ。・・・っと、あなたは」「私はアルベール・ジュネット。フリージャーナリストです」 「俺はユリアン・ラグフォード。階級は少尉。よろしく」 彼は手を差し出してきた。 私はその手を握り返した。 これが彼との最初の出会いだった
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