プロローグ

6/8
前へ
/71ページ
次へ
「ところで・・・」      「ユリアン、か、ユーリでいいよ・・・ユーリってのはあだ名さ」「分かった。じゃあユーリ」  「なんだい、ジュネット」   「君はいつもここに来るのかい」「ああ、来れる日はたいがいな」「隊長の勧めだな」      「ご明察。・・・ジュネットも、だろ?」           「ああ、予想以上で驚いたよ」 「一応ここは国定自然保護区だよ・・・自慢は自然だけなんだぜ」「確かに」          ジュネットは苦笑した。    「さぁて、戻るか。ジュネットもだろ?」           「ああ、案内してくれるかい」 「よし!じゃあジュネットも食堂行こうぜ!」         「え?」           「案内するから見失うなよ」  ユリアンは颯爽と歩きだした。 「ちょっ・・・待ってくれ」  ジュネットは慌てて追い掛けた。                                                            午後6時52分                       サンド島基地食堂                      2人が食堂に着いたとき、食堂は訓練生や整備兵で賑わっていた。「よお、アル!」       ユリアンは、数人の訓練生の方に近寄った。          「遅いぞユーリ。全部奢れ」  「誰が払うか。しかもまだ7時前だろ?」           そう言いながらユリアンは近くの椅子に腰を降ろした。     「ジュネット、隣来いよ」   「ありがとう」        この数分でユリアンに慣れた彼はそのまま椅子に座った。    「ユーリ、こいつ、誰だ?」  「こいつ、はないだろ、アル。彼はフリージャーナリストで明日の演習を撮りに来たんだ」    「アルベール・ジュネットです。明日はバートレット隊長の後席から撮らせてもらいます」    「まじかよ~明日か~」    「へっへっへっ、諦めろよアル。明日が休暇なのを悔やんどけ」 ユリアンは笑いながら言った。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

298人が本棚に入れています
本棚に追加