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「ところで・・・」 「ユリアン、か、ユーリでいいよ・・・ユーリってのはあだ名さ」「分かった。じゃあユーリ」 「なんだい、ジュネット」 「君はいつもここに来るのかい」「ああ、来れる日はたいがいな」「隊長の勧めだな」 「ご明察。・・・ジュネットも、だろ?」 「ああ、予想以上で驚いたよ」 「一応ここは国定自然保護区だよ・・・自慢は自然だけなんだぜ」「確かに」 ジュネットは苦笑した。 「さぁて、戻るか。ジュネットもだろ?」 「ああ、案内してくれるかい」 「よし!じゃあジュネットも食堂行こうぜ!」 「え?」 「案内するから見失うなよ」 ユリアンは颯爽と歩きだした。 「ちょっ・・・待ってくれ」 ジュネットは慌てて追い掛けた。 午後6時52分 サンド島基地食堂 2人が食堂に着いたとき、食堂は訓練生や整備兵で賑わっていた。「よお、アル!」 ユリアンは、数人の訓練生の方に近寄った。 「遅いぞユーリ。全部奢れ」 「誰が払うか。しかもまだ7時前だろ?」 そう言いながらユリアンは近くの椅子に腰を降ろした。 「ジュネット、隣来いよ」 「ありがとう」 この数分でユリアンに慣れた彼はそのまま椅子に座った。 「ユーリ、こいつ、誰だ?」 「こいつ、はないだろ、アル。彼はフリージャーナリストで明日の演習を撮りに来たんだ」 「アルベール・ジュネットです。明日はバートレット隊長の後席から撮らせてもらいます」 「まじかよ~明日か~」 「へっへっへっ、諦めろよアル。明日が休暇なのを悔やんどけ」 ユリアンは笑いながら言った。
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