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「休暇?」 ジュネットは不思議そうに尋ねた「明日は訓練なんだろ?」 「全員上がるわけじゃないんだ。そこのアルは待機組さ」 「という訳なんだよ、くそっ」 アル、と呼ばれた男は悔しそうに言った。 「まぁ、それは置いといて・・・今日は誰だ?」 「ナガセだよ」 ユリアンの質問に訓練生の1人が答えた。 「ナガセ!?珍しいな。勝率一位のナガセがか?」 「しかも一回目で一人負けだ」 「負ける時は派手に負けるな」 「なんの話しなんだ?」 話しの先が見えないジュネットが隣のユリアンに尋ねた。 「全員分の飯をテーブルまで運ぶ奴を決めるジャンケン大会の話」「・・・ジャンケン?」 「そう・・・おっ、来たか」 すると、タンクトップ姿でトレーを持った若い女性がやってきた。「持ってきたわよ」 そしてトレーの上の料理を次々に訓練生達の前に置いていった。 「ブレイズ、来てたの?」 「ああ、ついさっきな」 「一応グラタン選んどいたわ」 「ん、サンキュー」 ユリアンはそれを受け取った。 「さて・・・ジュネットは何?」「じゃあパスタで」 「了解」 ユリアンは立ち上がった。 「あっ、俺のに手出すなよ。食の恨みは半端じゃないぜ」 そう言って彼は歩いていった。 「賑やかだな、この基地は」 「訓練飛行隊がいるところは大体こんなもんだよ」 アルと呼ばれていた男が答えた。「そうなのか?」 「まあな」 「それはお前がいるからだ」 ジュネットとアルの会話に戻ったユリアンが加わった。 「悪かったな、ユーリ」 「別に文句は言ってねえよ。はいジュネット」 「ありがとう」 ジュネットの目の前に出来たてのパスタが置かれた。 「早く食おうぜ」 ユリアンが言った。
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