第二章……入学式

5/22
前へ
/39ページ
次へ
洗顔を済ませた後、再び自分の部屋に戻り真新しい制服に着替えた。 慣れない制服はまだ生地が硬くごわごわとしている。 ブレザーに腕を通し、春休み中に千恵子に教わったやり方で学校指定の深緑色のネクタイを結んだ。 中学は学ランだったため、ネクタイをするのはこれが初めてのつむぐは、まるで首が絞まるような違和感を感じ窮屈だと思った。 「ん。よし、出来た。」 つむぐは全身の写る鏡で自分の姿を見た。 生まれつきの淡い茶髪と春休み中に整えた眉、加えてつむぐ自身のやる気のない雰囲気のせいでとても新入生には見えなかった。 「 ? なんでだろ。」 つむぐは初々しさのかけらもない自分の姿に違和感を覚えながらも、朝食を食べに居間へと降りて行った。  
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加