第二章……入学式

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ガンッ! 目覚まし時計は壁にぶち当たり沈黙した。 「………。」 つむぐはちっと舌打ちをしてベッドから起き上がった。 遮光カーテンの隙間からは、朝の眩しい日差しが覗いている。 ベッドからおりカーテンを開けると夏より少し薄い青空が広がっていた。 そういえば今日は晴れるって天気予報で言ってたな… 低血圧に身を任せボーッとしているところに、キッチンから母・千恵子の呼ぶ声が聞こえた。 「つむぐー入学式遅れるよー!」 キッチンからは朝食のいい匂いがする。 「んー!今行くー!」 寝起きで声を出すことさえ億劫ながらも、「今日は目玉焼きかぁ…」などと考えながら千恵子に返事を返す。 つむぐはひとまず顔を洗いに、寝巻きのまま洗面所に降りていった。  
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