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ラキアと呼ばれた人物は、いかにも怪しげな格好をした魔術師だった。
青を基調とした厚手のローブを身にまとっており、顔は目深にかぶったフードに隠れて見えない。
「おぉ、アイリか。久しぶりじゃのぉ」
「お久しぶりです!」
「あの~…この怪しいオッサン誰っすか?」
アイリの腕をつついて失礼なことを言うシマキを見て、ラキアが首を傾げた。
「なんじゃ、新人ハンターを連れてきたのか?」
「そうなんです。困ってたみたいだから…。彼を今日の教習に加えていただけませんか?」
「フムフム、構わんぞい」
「何すか?教習って…」
「じゃあ私は他の依頼を受けてきますね!シマキ、頑張ってね」
「え!?行っちゃうんすか」
シマキの言葉をことごとく無視したアイリは、軽く手を振ると走って行ってしまった。
残されたシマキは胡散臭そうにラキアを見る。
「おっさん…教習って何」
「さて、早速出発するかの」
「シカトすんなよぉお!!」
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