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昨日に引き続いて今日も雲一つ無い快晴。
あの日、約束した場所の前、勿論時間通りに来ていた藤田。彼は普段以上に感情を抑えていた。何故か【嬉しい】という感情が自分を縛っているからである。
藤田はドアの前に立ち尽くす。大きく深呼吸をしてドアを叩く。
紺野「どうぞー。」
紺野の元気な声が聞こえる。
藤田は病室内へ入った。
藤田「おはよう。さくみ。」
あくまで冷静に、感情を抑え込んで言う。
紺野「おはよう藤田君。」
いつも通りの笑顔で紺野は藤田に挨拶を交わす。
紺野の服はあまり目立たないような服。長めのスカートにスカーフのようなものを羽織っている。色は全て淡い薄い色。
藤田「誰が用意してくれたんだ?」
紺野「看護師さんが貸してくれたんだ。」
紺野は嬉しそうにくるりと身体を回転させる。
紺野「似合ってる…かな?」
藤田「あぁ。よく似合ってる。」
藤田は少し赤い顔を隠すように言う。
紺野「本当に?ありがとうー。」
紺野は元気そうに藤田に駆け寄る。
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