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ぎこちなく紺野は藤田の手を握って歩き出す。
藤田は何も言わずに、抵抗もせずに、自分も紺野の手を握った。
そして藤田と紺野は病院を出て街へ向かった。多少は都会と言える風景に商店街などが並ぶ。
紺野はその風景にただ楽しそうにはしゃいだ。
藤田「あまりはしゃぐなよ。挙動不審で逮捕される。」
紺野「うん。でも、やっぱり嬉しいから…。」
藤田「外がか?」
紺野「それもあるけど…。」
紺野は上目遣いで藤田を見る。
紺野「藤田君と…外を歩いているから。」
紺野は顔を真っ赤にして俯く。
藤田は感情を抑え込んで紺野を見る。
藤田「街も一通り周ったし、落ち着く場所に行こうか。俺個人としては一番落ち着く場所に。」
紺野「藤田君の行きたい所なら何処でもいいよ。私は…藤田君と一緒なら……。」
紺野の言葉の最後は聞こえないくらい小さく言った。
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