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藤田は【重要研究室A】へと入って行った。その中は凄まじい光景が広がっていた。ヒトというものが緑色の液体に酸素ボンベ付で漬けられていた。それも一つではない。二つ三つと数多く存在した。しかし、どれも心電図は【0】を示し、横棒が伸びるだけ
藤田「な、んだ?ここは…。」
藤田は生唾を飲んだ。
藤田「ん?あれだけ…。」
藤田は一つの機械を見る。心電図は…まだ山や谷を作り出していた。緑色の液体の中を見る。中には藤田と同じ年齢と思われる女子がいた。腰まで伸びる黒髪。整った輪郭。白い肌。一瞬だが、藤田はその女子に見とれてしまっていた。
藤田「っ!マズい…。さっさと仕事を済ませよう。」
緑色の液体が入っているガラスの筒を野太刀で斬り裂く。液体が溢れ、女子が出て来たところを右手で抱き抱える。
藤田「なっ!こいつ服着てないっ!」
藤田は珍しく動揺した。しかし、直ぐに冷静になる。
藤田「……ふぅ。」
自分の黒い長いコートを女子に着せる。女子は首から脛まで隠れる。
藤田「あとは処理班がやってくれるか。」
携帯を左手でポケットから取り出し、電話をする。
藤田「依頼は完了した。処理班を入れてくれ。あと、救急班も入れてくれ。施設内に被害者と思われる女子を発見した。以上だ。」
携帯を閉じてポケットに押し込んだ。右手で抱いている女子を見る。
藤田「助かるさ。多分な。死んでも俺には関係ないが、仕事なんでね。」
それが彼と彼女との出会い。彼女は救急班により病院へ搬送された。彼女はその後、意識が戻ったという。
彼女の名前は…【紺野さくみ】
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