6人が本棚に入れています
本棚に追加
/116ページ
担当医「そろそろ面会時間が終わりますよ。」
紺野の担当医が入って来る。彼は依頼者の友人であり、藤田のことも依頼者から聞いている理解者とも言える人物。
腕は確かで、病院内でも難しい手術を何度も成功させている。
年齢も近く、20代の若さである。
藤田「分かりました。」
担当医「そうだ藤田君。ちょっと話あるんだ。来てくれないか?」
藤田「はぁ。いいでしょう。」
担当医「んじゃ、また後でこいつ戻すからね。」
紺野「はい。」
藤田と担当医は病室を出て、診察室へ入った。
藤田「それで。話とは?」
担当医「もう聞いているかもしれないけど、彼女は親が居ない身なんだ。」
藤田「知ってる。」
担当医「単刀直入に聞くよ。君が彼女を引き取ってくれないか?」
藤田「は?」
担当医「実は彼女の引き取り先を探していたんだが、なかなか見つからなくてね。非常に困った状態なんだ。」
担当医は困った顔をして片手を振りながら『手は尽くしたんだけどね。』と呟く。
藤田「もし俺が引き取らなかった場合は?」
藤田は真剣な表情で担当医を見る。
最初のコメントを投稿しよう!