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「さてと…そろそろ出ようか?」
男は伝票を片手に立ち上がった。
優雅の後ろにさっと回ると椅子をゆっくりと引いてくれた。
優雅は黙って立ち上がり、男の耳元で小さく呟いた。
「ご馳走様…。」
男は優雅の頭を軽く手を置いた。
そしてレジへと早々に歩き出した。
(…変な奴…。)
優雅は男の後ろを追いかけた。
支払いを済ませ、外に出てみると辺りには、甘い雰囲気のカップルで賑わっていた。
優雅は腕を組みながら壁に凭れた。
「…さて、気が済んだか?これからどうすんの?ホテル?あんたの家?」
優雅の顔はさっきとは違い、「商売」の顔つきに変わっていた。
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