番外編「サクラ」

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「…あんた…本当に頭イカレてんだなッ!はは!なってやるよ。あんたの言う、「恋人」に。」   優雅はやっと落ち着いたのか、涙を拭った。   「…やっと笑ってくれた。…やっぱり君は笑ってる方がいい。」   男は優雅の頭を優しく撫でた。   優雅は男の手がとても懐かしく感じた。   「僕の家に行こうか。」   男は優しくおでこにキスを落とした。   「…手ぇ出さねえって言ってたよな?」   優雅はニヤリと笑った。   「おでこにキスぐらいいいじゃないか。」   男は優雅の鼻をまた摘む。   今まで感じた事のない気持ちが心を刺激した。   優雅は男の手を払いのけ、素っ気なく言い放った。   「…早く、俺をエスコートしろ。」   男は優雅に手を出した。   「手を繋いで帰ろう。」   優雅はまた眉間に皺を寄せたが、なんだかその手が暖かそうで―。   差し出された手に手を重ねた。
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