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男はそのまま優雅を抱き締めた。
「…髪…乾いたよ。君のベッドは寝室だ。明日は少し付き合ってもらうから、今日はもう寝た方がいい。」
抱き締めた腕を解き、優雅を寝室の場所まで手を引いた。
優雅は何も言えなかった。
何も出来なかった。
こんなに優しく抱き締められた事なんてなかった。
どう反応していいかもわからない。
男は優雅の頭を軽く撫でると、「おやすみ」とおでこにキスを落とした。
「……あんたはどこで寝るんだよ…。」
扉を閉めようとした男の手を優雅は掴み取った。
突然の行動に男はビックリしたが、すぐに笑顔になり
「僕はソファーにでも寝るよ。だからゆっくり寝るといい。」
閉まる扉の前で優雅は立ち尽くした。
(…なんだよ。意味わかんねぇ…。なんだよあいつ…。)
チクリとざわめく胸を押さえながら、優雅は大きなベッドにダイブした。
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