番外編「サクラ」

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朝食を済ました後、すぐに男と車で出掛けた。   何処に連れて行かれるかなんてわからない。   でも不安なんかじゃない。   寧ろ、期待してしまう。   運転している男はかなり絵になり、絶対に口には出さないがカッコいいと少し思う。   なんだか変だ。   自分の心がおかしい。   モヤモヤする。   窓の外から海が見えた。   「…海。」   優雅は思わず声に出してしまった。   男は運転をしながら、ちらりと優雅の方を見た。   「海好き??」   口に出してしまった以上、否定する訳にはいかない優雅は、少しだけ首を上下に動かした。   海なんて小さい頃以来訪れていない。   窓を開けると微かに海の匂いがした。   懐かしい―。   優雅は身を乗り出して、海の匂いを吸い込んだ。
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