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頼んだカクテルが優雅の前に差し出された。
カクテルの名前は「ブルー・ムーン」
薄紫の綺麗な色彩、ほのかに香るスミレの花の香り。
優雅はこれがお気に入りだった。
少し口づけると甘酸っぱい味。
優雅はぼんやりとカクテルを見ていた。
すると、誰かが自分の横に腰を下ろした。
そして突然、目の前に札束が置かれた。
ざっと二百万。
優雅は視線を横に向けた。
そこには、見惚れるような品の良い顔立ちの男がニッコリと微笑んでいた。
男はバーテンダーに優雅のグラスを指差し、
「同じ物を。」
と、頼んでいた。
そして男がまたこっちに振り向く。
視線がぶつかった。
男はまた微笑んでた。
そして煩く響く音楽に声をかき消されないように、優雅の耳元で囁いた。
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