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テーブルの上には食前酒と、前菜のサラダがボーイにより運ばれた。
ワイングラスに注がれる食前酒。
男はキラキラと泡が光るグラスをこちらに寄せてきた。
優雅は気が向かないが注がれたグラスを持ち、男の持つグラスに少し傾けた。
「乾杯。」
耳にガラスが軽くぶつかる音が響いた。
少し口をつけてグラスを置いた。
「…ポチ君はこのお酒苦手?」
男は半分飲み干した所でグラスを置いた。
ポチ君…。
優雅は懐に入れた現金を返そうかと本気で考えた。
「…あんた…ここの病気?」
優雅は自分の頭に指差し男に訪ねた。
男は笑いながら、
「酷いなぁ~。ポチ君綺麗な顔して毒舌だね。残念ながら正常だ。あと…名前教えてなかったね。名前は…」
優雅は黙って聞いていたが名前を言う前で口を開いた。
「名前は聞かない。俺とあんたは「三日間」だけの関係だ。例え、聞いたとしても俺はあんたの名前は言わない。」
優雅はそれを伝えると、また黙ってテーブルに並べられたサラダに手を伸ばした。
少し男はシュンとしたが、優雅と同じようにサラダに手を伸ばした。
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