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年の瀬も迫った大晦日の夜。
とある町のある一画。
寒空の下小さな少女がマッチを売っていました。
雪の降る中頭には何もかぶらず、足にも何もはいていません。
少女はその裸の小さな足で雪の上を歩いていました。
両足は冷たさのあまりに赤く、また青くなっていました。
日がな一日、誰一人として少女からマッチを買おうとするものはいませんでした。
マッチが売れなければ父親に叱られるので、すべてを売り切るまでは少女は家に帰ることができませんでした。
夜も更け、少女は寒さと空腹のため疲れはて、少女は座って小さくなりました。
引き寄せた少女の小さな足は体にぴったりくっつきましたが、少女はどんどん寒くなってきました。
少女は寒さをしのぐためにマッチに火をつけることにしました。
マッチの火はとても小さなものでしたが、少女にはまるで大きなストーブの前に座っているように思えました。
少女は足も伸ばして暖めようとしますが、やがて火は消え、大きなストーブも消えてしまいました。
残ったのは、手に残ったマッチの燃えかすだけでした。
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