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僕は大西が突っ込んでいる間に、敵の後ろに回り込んだ。
遮蔽物もなく、隠れることもできない場所で、その作戦を可能にしたのが盗賊の初期スキル『隼』。
このスキルは使用者の姿を消し、素早さを上昇させるもの。
そう――。僕が最初に選んだ職業は盗賊だった――。
最初にスキルを使うとこをみられない限りは気付かれない、だから見られないように注意を大西にひきつけたのだ。
「ひきつけたのだ、じゃねぇだろ。俺危なかったぞ」
「まあまあ成功したからいんじゃね?」
「まぁ、いいけどさー・・・!?後ろ危ない!」
「――え?」
瞬時に僕は体をねじる――が、敵の攻撃が右腕をかすった!
「いたっ――!」
刹那、大西の剣撃がとび、魔物が半分に両断された。
戦士の初期スキル、『剣撃』。
戦士に重宝する、数すくない遠距離攻撃のスキルだった。
「血、でてるぞ。大丈夫か?」
「あ・・・こんなとこまでリアル・・・」
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