13人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
暗闇の中
僕は立っていた
腕を伸ばし
掴んでいるのは虚空のみ
あなたは前を歩いていく
僕はあなたを求めていた
さらに腕を伸ばしていた
決して届く事の無い距離
僕は気付いた
あなたを摘もうとしているのに
足は前に出ていない
走ればあなたに追いつける
だけど僕は
あなたが僕の所に来るのを待っている
自分の足で走って
道に躓いて
自分が傷付くのを怖れている
そして
進む事が出来ない
前に出る勇気が無い
悩んでいる
いつしか
あなたは遠くに行ってしまった…
走っても追いつけなくなっていた
道は壁で隔てられ
通過することが出来なくなっていた
想いが届かなかったわけじゃない…
僕が届けなかっただけ…
最初のコメントを投稿しよう!