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そして暫く
時が流れた
するとまた家の裏から
鳴き声が
悲しく切ない
誰かを呼んでいる声が
思わず外を覗くと
一匹の猫がいた
多分あの家族のうちの
一匹
何度もいなくなっては
戻って来て鳴く
さすがの私も気が付いた
うちの数件先は
火事になって
おばあちゃんは引っ越した
冬の間温かい所にいたけど
春が来て
おばあちゃんに
会いに来たんだ
おばあちゃん
元気だからね
心が伝わるはずもなく
猫は暫く鳴き続けて
そして消えた
空き地に向かって
切なく鳴く
猫の声が
忘れられない
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