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そして今日。
性懲りもなくソイツは姿を現した。
目当てはオレの朝飯の魚なのだろう。
しかしオレも指をくわえて見ているつもりはない。これが最終決戦だ。
悪臭漂う水鉄砲を持ってオレは飛びかかろうとするソイツと応戦を開始した。
睨み合う両者。
一触即発の気配。
オレは奴が飛び付く瞬間を狙って引き金を引いた。
『……げっ!』
だが、勝敗は一瞬だった。
身軽なソイツはバリケードを飛び越し甘い罠に目もくれず、オレの攻撃をヒラリと交わして部屋に侵入。
テーブルの皿に乗っていた魚をくわえ、ニヤリと勝利の笑みを浮かべた後、また窓から去っていった。
『あ~~~、やっぱネコ科じゃないのかぁ?』
オレは翼を広げ、去り行くウミネコの後ろ姿を見ながら、悪臭漂う部屋で空腹に耐えつついつまでも空を眺めていた。
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