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今アイツの顔に教えられた。
あの日からの時間だけじゃ、俺は報われないと―…
『言い訳なんか聞きたくない』
今目の前にいる彼女がそう発した時、言葉をつまらせるしかなかった。
確かに言い訳にしかならない。
俺は実際逃げたのだ。
そして、今の今まで。
「朱理(あかり)…」
やっと言葉を発したが彼女の名前をいうことが精一杯。
なんて、情けない。
そして…‥
「まさか、こういう形で再会するなんて。
“小原先輩。”
いえ、小原先生のほうがいいですか。」
そして、どうやら、俺が何を言ったとか、俺が何をしたとか、
その全てが彼女の心を害するのだと朱理のゆがんだ顔に
気付かされることもまた、情けない。
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