再会

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“…―新山…朱理。。。” 俺の中で時が止まった。 同姓同名なのかもしれない。 そんなはずはないと。 その名前はたった数秒の中で もう何も見えない所まで 落とされた。 そんな気がした。 そして… 「…新山朱理さん」 「はい―…。」 そして、 あの時の面影を残したその声は、 あの時より大人びたその声は、 まっすぐ見据えたそのまなざしは、 俺をさらに落としていく。 ゆっくりゆっくり。 俺は沈んでいくのを覚えながら 懐かしい寒気にさいなまれて あの日から 何も変わらないことを 自覚する―…          
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