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朝日が高くなる頃には私は直人の腕枕の中にいた。
私が脳裏によぎったのはこれからどうなるのか。
彼氏と別れて直人と付き合うのか。
「奈保子‥‥?」
「なぁに‥‥?」
「彼氏とは別れない方がいいよ‥‥。」
‥‥‥え?
「どうして?」
私は少し動揺しながら聞いた。
「俺、誰かと付き合っても結婚とか出来ないんだ‥‥。」
‥‥ん?意味が判らない。
「どういう意味?」
「俺の母親‥‥昔の父親に暴力受けて下半身不随なんだ‥‥。」
「‥‥‥え?」
「俺一人っ子だから母親の面倒見なきゃならない。だから誰とも結婚しないんだ‥‥。」
私は何を言ったらいいのか解らなかった。
私なら平気だよっ。
何て軽々しく言えるハズが無い。
じゃあ‥‥さっきのセックスは何なのよ‥‥‥。
「‥‥うん‥‥わかった。」
「奈保子の事はホントに好きだよ。ただ本当の事言いたくて‥‥。」
素直な人だなぁ‥‥。
「大丈夫だよ‥‥。」
私達は抱き締め合いながら昼まで眠った。
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