†prologue†

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“ヴァンパイア” 人の生き血を吸う魔物。別名吸血鬼。 嘗てこの世界には、そんな“ヴァンパイア”と呼ばれる魔物が数多く存在していた。 一つの世界を、ヴァンパイアと人間、二つの種族が征していた。 互いに強欲であり貪欲な種族。その欲深さは次第に相手種族への嫉みと変わる。 同じ人であるという考えは彼等にない。 そしてヴァンパイアと人間は争い合い、傷つけ合った。小さな争いから大きな争いへ。それは何時しか戦争と呼ばれるものになった。 しかし、結果は歴然。人間の力では人知をはるか越えた力を持つ、魔物であるヴァンパイアに勝つことなど到底出来ず、多くの人間が命を落とすこととなった。 ヴァンパイアの潜在能力には敵わない。ならばと人間達が対抗したのは、その知識と技術、そして度重なる実験である。 人間達は長い年月をかけてヴァンパイアを研究し、ヴァンパイアと戦う者、ヴァンパイアを狩る者、そう、“ハンター”を造り上げた。 ヴァンパイアと人間の大きな違いは、魔力を持つ者か、持たざる者か、という点である。 その本来ヴァンパイアしか持つことが出来ない魔力をハンターは身に付けた。これは人間達の執念の結果である。その結果を示すかのように、ハンター達は次々とヴァンパイアを殺していった。 ヴァンパイアの勢力は次第に衰え、それに対し人間の勢力は止まる気配もなく広がってゆく。 それから、数千年もの時が経ち、ヴァンパイアと人間の争いは世界を揺るがすものではなくなり、人間はこの世界をヴァンパイアに代わって支配した。 それと共に、人間達はヴァンパイアに対する危機感、恐怖心をなくし、ヴァンパイアの存在を否定する者まで現れた。ヴァンパイアが常に自分達を狙っていることなど忘れて……  
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