†第01夜† White Demon

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イタリア・ローマ 長き歴史を刻む、ヨーロッパの古き良き都市だ。明るい土地柄のこの地で、一つだけ異質な存在感を放っているもの、それがハンター協会だ。 ヴァンパイア発祥の地とされるギリシャに近く、また法王という存在がいるこの地は、古くからヴァンパイアが多く潜む地とされており、ヴァンパイアによる事件が絶えない。 その為か、この地にはハンター協会と呼ばれる組織の本部がある。 ハンター協会は世界中のヴァンパイアによる事件を取り仕切る、法王直属の組織だ。ヴァンパイアと戦う為、彼等を狩る為にありとあらゆることをしている。 それだけの力を付ける為、ハンター達はこの協会で訓練を受け、世界中に配置されていく。その訓練はとても厳しく過酷で、いくら力に自信がある強者でも、この門を叩こうとする者はなかなかいない。叩いたところで、力のない者、才能のない者は脱落していくし、なかには死者も出る。それほど彼等の生きる世界は過酷なのだ。 そうして育て上げられたハンター達は、その命が尽きるまで、神に従え、ヴァンパイアと戦うことを使命としている。 そして、そんなハンター達をその強さから尊敬する者も多くいるが、化け物扱いし恐れる者、もはや迷信に変わりつつある架空の生物と戦う彼等のことを、嘲笑う者も決して少なくはなかった。むしろ、一般市民からは、彼等は不気味がられ、忌み嫌われれる存在であった。平和過ぎる世界に生きる者達はその脅威に怯えることなく悠々と暮らしてきた。 
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