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半地下のダイニングバーに入った。
ここは知り合いが店長を勤めており、本来ならもっと活用するところなんだが…
「わっ!エロくない?」
内装がエロい…
まあ主観なんだろうが。
全ての席はカップル用に仕切られており、大人数は座敷でのみ対応する。
基本間接照明なので店内は薄暗い。
我が幼なじみである杉野も同じ感想を抱いたみたいだ。
「森野さんっ!」
「よう。空いて…るな」
店内は一組カップルがいただけだ。
「まだ20時っすよ。開店前です!」
PM21~AM5
ここの営業時間だ。
「堅い事いうなって。適当に料理持ってきて」
「はいはい」
僕らはカップルシートに案内される。というかコレしか無いのだ。
「…あんたのセンスにびっくりした」
杉野はそう漏らす。
「そう言うな。今に分かる。」
運ばれて来た料理を見て僕の言った事を理解した杉野は、ものすごい勢いで食事を始めた。
「旨いだろ?」
コクコク
食事を止める事なく返事する杉野。
「元々和食の料理人なんだ。腕は確かで食材選びも、病的にこだわってる」
「病的て…森野さんムチャクチャ言うな…」
「久し振りだな。相変わらずうめえぞ」
料理人が僕らの席まで来た。僕の二年後輩だったヤツだ。
「うん!本当においしい!びっくりした!」
杉野も会話に加わる。
「ありがとうございます」
「なんでこんなに美味しいのに、こんなエロチック…ぐほおっ!」
わき腹にブローを叩き込む。まったくコイツは…
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