雪見酒

3/124
38人が本棚に入れています
本棚に追加
/148ページ
太陽が沈み夜が深まってきた頃、気温は一段と下がり、空から塵のような粉雪が降ってきた。 東京では、これが今年の初雪だった。 柏木が母親と経営している居酒屋[とり誠]は、この雪のせいもあって客の引きも早かった。 零時過ぎ、のれんを入れようと表へ出るとアスファルトには、二センチほど雪が積もり始めていた。 柏木が片付けをしていると、ポケットの中の携帯電話がバイブレーションした。 友達の国見からの着信だった。
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!