晒された公然の秘密

9/18
前へ
/2660ページ
次へ
三人は、自分よりもずっと前からKHSに居る。 自分には知らない歴史。 それが彼らの中にはあるのだろう。 ミオはそれを、少し(さみ)しく思った。 だから、というのもある。 ついでに首を突っ込んでみる事にする。 「言いたくなかったら言わなくてもいいけど…、どうして今まで告白しなかったの?ハヤテさんとは長い付き合いなんでしょ?」 ヒカルが、ミオに視線を(うつ)す。 そして考えるようにし、やや眉を寄せた。 一瞬(いっしゅん)。答えるか(いな)か迷っているようだった。 しかし、すぐに返答がきた。 「長い付き合いだからこそ言えない事もあるだろ。とは言ってもまぁ…、一緒(いっしょ)にいた期間よりも、会っていなかった期間のほうが長いぐらいの付き合いだけどな」 「そうなんだ。出会った頃からって言ってたけど…、ハヤテさんとはいつ出会ったの?」 「だぶんハヤテさんが16〜17歳ぐらいの頃。俺は小学生の高学年ぐらいの時期」 「しょ、小学生?!その頃から好きだったの?!ヒカルいま何歳?」 「23ぐらい」 ぐらい、とは。 ヒカルと話していると時折(ときおり)、感じることがある。 こういった。 だがミオは、あまり気にしないようにしていた。 そのほうがいいだろうと、何となく思っていた。
/2660ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1282人が本棚に入れています
本棚に追加