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「え、じゃあ10年ちかくも片思いしてるってこと?!」
「まぁ、そういうことになるな」
じつに当たり前ふうに言うヒカル。
太陽が毎朝昇ることのように
夜が毎日訪れることのように
じつに当たり前な顔。
ヒカルの言葉に、ミオは興奮した。
10年以上も、一人の相手を思い続けるとは。
恋愛小説や映画での王道。
それは、実際の身近には、なかなか見られない。
だからこそ万人ウケするものなのかもしれない。
それを夢みて、沢山の人間が憧れるもの。
「すごいね!」
「は?なにが?」
「そんなに一人のひとを思い続けるだなんて、すごいよ!」
「そ、そうか…?」
ミオが、鼻息荒く詰め寄る。
ヒカルが気圧されたように、やや身を引く。
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