晒された公然の秘密

12/18
前へ
/2660ページ
次へ
そんな彼の顔を見ているだけでも胸が()まる。 だからミオは、口を閉じた。 これ以上は()()げるのをやめようと思った。 それなのに、ヒカルのほうが続けた。 「お前はたまにそうやって言外(げんがい)の声を聞くよな」 「え?」 「そういうところ、ちょっと似てる」 「似てるって…誰に?」 「ハヤテさんに」 「えぇ?!私が?ハヤテさんに?!」 「ああ。なんとなく」 そう言われ、ミオは嬉しかった。 ハヤテに憧れていたからだ。 こういう人間になりたい。 ハヤテを見て、常々(つねづね)そう思っていた。 彼女が放つ、独特な雰囲気が好きだった。 少女のような(おも)()ちのハヤテ。 だけれど(かも)し出す空気は、少年のそれ。 それも、変声(へんせい)()(まえ)の少年を想わせる印象。 両生類のような謎めきさえ(ただよ)わせている彼女。 そんなハヤテに、ミオは()かれていた。 だから、ヒカルが(まど)わせられるのも理解できた。
/2660ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1282人が本棚に入れています
本棚に追加