晒された公然の秘密

13/18
前へ
/2660ページ
次へ
「…そんなに好きなの?」 つい口からこぼれた。 ミオはすぐに後悔(こうかい)する。 10年ちかくも片思いをしているのだ。 (あさ)い思いでないことぐらい明白である。 ()われたヒカルは口を閉じ、窓の外を見た。 ガラス越しに見える青く()んだ空。 それに視線を置き、そして、(ほほ)()む。 彼はゆっくりと言葉を(つむ)いだ。 「俺にとってハヤテさんは、空みたいなものなんだ。確かにそこに居るのに、手が届かない。(うつ)ろう(そら)()(よう)みたいに()()顔を変えて、俺を振り回したりするしな。そして空は、振り回している自覚がない」 「振り回す?どっちかというとハヤテさんって、振り回されるほうじゃない?リナとか(ほか)のパリピ系スタッフたちに、よく手を焼いてるじゃない」 ミオがそう言えば、ヒカルが笑う。 しかし彼は首を振った。 まぁそうだけど、そういう事ではない、と。
/2660ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1282人が本棚に入れています
本棚に追加