晒された公然の秘密

17/18
前へ
/2660ページ
次へ
ミオにはどうにもピンとこなかった。 ()げるという言葉が、彼女には()()わない。 そう思ったため、かしげた首を戻せずに、 「逃げるって…ハヤテさんが?」 「ああ、(こう)確率(かくりつ)で」 「そうは思えないなぁ。だってハヤテさんって、何があっても(てき)に背を向けるタイプではないじゃない?どんな相手でも正々(せいせい)堂々(どうどう)(むか)()つイメージがあるんだけど」 「俺は(てき)か…。でもまぁ確かに、普通ならハヤテさんはそうだろうな。でもあの人、自分が恋愛対象にされると全然ダメだから」 「そうなの…?」 「そうなの」 「じゃあ…、どうするの?」 「追いかけるしかない」 「でもそういう場合さ、追いかけるとさらに逃げられたりするもんじゃないの?」 「それでも、こうなったらもう、追いかけ続けるしかないだろ」 そんなに声を(しず)めて言われたら(かな)わない。 きっかけを作ってしまった身としては(つら)い。
/2660ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1282人が本棚に入れています
本棚に追加