冗談でなければならない

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「あー…まぁヒカルの奴、モテますからねぇ。でもその、不特定多数の相手の子たちとは付き合ってるわけじゃなさそうだから、フリーなら自由っていうか、その…」 「(なお)悪いわ!自分に(こう)()()って近寄ってくる女の子たちを都合(つごう)よく利用しているという事だし、特定の彼女がいないからといって、()(せい)(じつ)な付き合い方をしていい理由にはならないだろ」 「だけど、べつにヒカルが(たら)しこんでるって感じでも無いみたいですよ?付き合ったりする気がヒカルには無いと分かっていて、それでも(かま)わないと言う女の子が(あと)()たないんだとかなんとか」 「そんなの知るか。相手がどう思っているかは、どうでもいい。あの馬鹿(ばか)が、相手とどういう付き合い方をしているのかが問題なんだよ」 「じゃあ誰とも関係をもたず、(せい)(じつ)であれば、俺の気持ちに(こた)えてくれるんですか」 突然(とつぜん)、話題の当人の声が背後(はいご)から聞こえた。 ミオは(おどろ)いて振りかえる。 「びっくりした…ッ。驚かさないでよヒカル」 ミオは、長身(ちょうしん)を見上げて目を丸くした。 真紅(しんく)双眸(そうぼう)がチラリと寄こされる。 しかしすぐに、ハヤテに視線が(うつ)された。 「どうなんです、ハヤテさん」 (たい)するハヤテは、(まゆ)を寄せて答えた。
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