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ハヤテが、心底のように溜息をつく。
そして疲れたように続けた。
「分かった。まぁ冗談だろうけど…もし、もし!お前が私のことを好きだとして、」
「俺は本気です」
「だから、もし、な」
「話が進まないのでそういう事にしておいてあげます」
ヒカルが表情も変えずに返す。
舌打ちをするハヤテ。
射るような目で、真紅を正面から迎え撃つ。
「お前が私のことを想ってくれていたとしても、お前とそういった関係にはなれない」
「不特定多数の相手と関係をもったりするから、ですか」
「それもある」
「俺のほうが遊ばれているとは思わないんですか。相手も後腐れのない関係を求めているとか」
「例えそうだったとしても、お前にとってはそのほうが好都合なんだろ」
「まぁ、そうですね。さすがハヤテさん、よく分かっていますね」
そう言いながらヒカルが、ハヤテに一歩近づく。
ハヤテはあからさまに警戒を顔に出した。
けれど、ミオの存在をハッと思い出す。
「ヒカル」と彼の名を呼ぶことで制止を促した。
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