任命を賜る

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「ミオちゃん、(きみ)、やってくれたらしいね」 向かいのソファに腰をかけた男。 (かた)()が、そう言ってニッコリと(ほほ)()んだ。 片瀬は、KHSを運営する局長である。 年の頃は、四十(しじゅう)すぎではあるだろう。 ミオは彼の正確な年齢(ねんれい)を知らない。 だから、その程度の推察(すいさつ)しかできない。 片瀬は中肉(ちゅうにく)中背(ちゅうぜ)で、これといった(とく)(ちょう)もない。 雑踏(ざっとう)にまぎれてしまえば(よう)()()(うしな)いそう。 そんな外見(がいけん)だ。 しかし、ただの中年と呼ぶには若々(わかわか)しい。 そんな独特な雰囲気を彼は持っていた。 アンダーフレームの眼鏡がよく似合っている。
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